2016年04月16日

紅茶メーカーに対して思うこと

日本での紅茶といえば「ブランド」や「高級品」といった肩書とパッケージデザインと知名度が商品購買において、非常に重要な要素です。
ブランド重視の消費者は少なくないにもかかわらず、パッケージなどにこだわらずに、茶園物のみのノンフレーバーや良質の香料で着香された紅茶を好んで飲む方々も紅茶ファンにはいらっしゃいます。

ダージリン、スリランカ各地、アッサム、ニルギリはブレンドしてもおいしいですが、茶園物の紅茶も個性を楽しむのによく飲みます。例えばダージリンエリアにおいては、キャッスルトンは知名度で、ジュンパナは安定感で有名ですね。
同じダージリンでも摘んだ年や季節(ファーストフラッシュ、セカンドフラッシュ、オータムナルなど)で香りや味が異なります。
ファーストフラッシュでも茶園によるバラツキは激しいですが、緑茶に似た風味のあるものから、花のようなものまで、またセカンドは一般的に広く知られているマスカテルフレーバーが際立ち、オータムはやや香ばしい中にも繊細さがあったりとさまざまです。

日本での知名度は低いですが、ネパールのジュンチヤバリ茶園は緑茶、半発酵茶、白茶、紅茶など、多岐にわたる商品を製造しており、人生で一度は飲んでおきたい、私一押しの茶園です。地理的にダージリン地方に隣接していおり、完全有機栽培、手揉捻製造なのでダージリンを超えるかもしれないおいしさを一度は実感されてはいかがでしょうか。

では、日本で特に人気のある「マリアージュフレール」と「ルピシア」について触れてみましょう。
日本人が大好きな「フランス」。日本人にとっては上品なイメージが先行していますが、実際は移民が多く、質素な生活をされてる方が多いように感じます。
日本のMFファンの多くは「高級品」「優雅」などというイメージを抱きがちです。実際、本国では日本の価格の約3分の1〜2分の1で販売されています。※サマーティーなど、現地と差額がほぼない商品もあります。

 MFは近年、色鮮やかな缶入りの商品を販売し、紅茶葉ではなくパッケージで顧客を大いに魅了しています。紅茶缶コレクターも多く、主な客層である女性(店員は男性が9割)はカラフルなものに目がないからなのでしょうか。
社長がタイ出身なので、毎年干支の紅茶を出したり、東南アジア系の名前のついた着香茶も販売しています。
本来、紅茶消費量が多いのは、イギリス、アイルランド、インド、スリランカ、トルコ、イラン、UAEなど中近東諸国などで、東南アジアは少ないのです。タイでの紅茶は「チャーイェン」という着色された甘いアイスミルクティーが有名です。マリアージュフレールは日本の紅茶市場をよくマーケティングしています。

MFは日本紅茶市場のマーケティングに注力しているのが至る所で垣間見られます。そして非常に良質なヒマラヤ(ネパール)のお茶を販売しているのも事実。知る人ぞ知る『ゴールドヒマラヤ(100g約1万3000円)』は予約客のみで瞬時に売り切れ、私もお気に入りの紅茶でもあります。

続きまして、「ルピシア(旧レピシエ)」。「ルピシア」とシンガポールの「TWG」はマリアージュフレールに憧れて、立ち上げられたメーカーです。
全体的に「TWG」はとてもマリアージュフレー◯に酷似しています。
パッケージはMFと見間違えの声も耳にします。ブランドロゴからトワイニングと間違えてしまう人が多く、会社を作ってからまだ10年もたっていません。あの缶に記載されている数字「1837」?これは、会社の創業年ではありませんのでご注意ください。
でもここはMFのトップを引き抜いただけあって、ブレンドと着香技術は比較的良質だと感じます。

ルピシアについては有名ですね。「マリアージュ・フレールとルピシアの不思議な関係」で検索してみてください。
ルピシアの最近のフレーバードティーのベース使われる茶葉はベトナムやキーマンが多く、CTCのものはケニアなどのアフリカ産紅茶が多いらしいです。香料!わかる人にはわかります。イチゴガムやマスカットガム系と同じ合成香料です。しかし、茶葉の梱包材の内側の変色が見られるので、柑橘系のフレーバードティーは圧搾式の天然香料も使用されているのでしょう。
店頭で香料の詳細を尋ねたところ、「すべて天然由来成分」との一点張りでした。香料とは“天然香料”と“合成香料”に分類されます。日本では食品添加物の一種と規定されている香料に100%天然物を使用されているのほぼ皆無です。合成香料(化学的に数十〜数百種類の香り成分を合成したもの)は元をたどればすべて天然由来成分から成り立っているので、合成香料を「ルピシアのフレーバードティーは、すべて天然由来成分です」と言い張ると、消費者に「天然」という言葉で「ルピシアのフレーバードティーは天然香料で香り着けされてるんだぁ」と誤解を招く恐れがあります。
もし全てのフレーバードティーに天然香料が着けられているのなら、販売する上で好条件の”天然”という言葉を大々的に売り出すのが普通でしょう。
着香茶の茶葉のみだと、強烈な香りなのに、淹れた途端に香りが激減するものが多いので、ギャップがありますね。しかし、ルピシアのダージリン地方や他地域の茶園ものでは良い茶葉があることも事実です。

最近、パッケージがかわいいことで人気の「クスミティー」もフランスの紅茶ですよね。
どのフレーバーティーもスパイスがごちゃ混ぜだったり、多種なフレーバーで複雑な香りの商品が多いです。
社長のオレビ氏は生粋のフランス人ではなく、”オレビ”という姓がコーランにあることから、中東あたりがオリジンの方だと思われます(あくまで推測)。なので、スパイス系をふんだんに使った商品が多いのではと思います。おいしいクスミティーを楽しみたい方は、ぜひティーバッグより茶葉でお楽しみください。

ここ数年?輸入食品店でのみ見かける「ジャンナッツ」。「Janat」と書いて、フランス人の友人は読めないと言創業者のドレス(Dores)氏のスペルに関しても、「これフランス人なの?」とニースの友達が疑問を感じていました。フランス語が身近な方々にはこの違和感はすぐにわかるはず。このスペルで「Janat Dores」をフランス語で発音しても、せいぜい「ジャナッ・ドレー」です。

フランスの紅茶ということならば、各地から輸入した茶葉や花びらをフランスか近隣国(欧州ではドイツやポーランドが多い)でブレンド&パッキングして日本へ輸出するわけですよね?フランスは日本より劇的に物価が安いわけでもないのに、なぜ日本のジャンナッツ紅茶は比較的安いのでしょうか。確かに、パリの住宅街にジャンナッツの小売店舗はあります。

パッケージを見ると、スリランカで着香と梱包などの工程が行われているようですし、ジャンナッツジャパンという会社が小売りする前は、某輸入食材店の姉妹会社が仕入れて卸していました。それなら、堂々とスリランカ紅茶、もしくは高品質な”ジャパニーズブランド”紅茶として販売すれば良いのでは?と思います。

毎年FOOD◯Xに出店し、白人をブースに設けていますが、ここのブレンダーはスリランカ人であり、商談をするのは日本人なのが不思議です。つい数年前までジャンナッツ・ジャパンの会社住所が日本語サイトに記載されていましたが、この記事が原因か、サイトには表参道のティーサロンの住所に変更されていました。ジャンナッツのホームページは英語版が存在しますが、フランスの紅茶ならば、なぜフランス語版サイトがないのでしょうか?

紅茶とは本質的にパッケージや缶ではなく茶葉が商品なので良心的で良い茶葉を販売しているお店やブランドは必要最低限で素朴な装いのところが多かれ少なかれ実存してると感じます。

今回名前の出たマリアージュフレール、ルピシア、クスミティー、ジャンナッツの全てのメーカーもおいしい紅茶を販売しています。私も一消費者です。ただ、どの産地やブレンドやフレーバーティーを「おいしい」と感じるかは人それぞれです。

紅茶は嗜好品であるが故に批評する方々が多数いらっしゃいますが、自分がおいしいと感じられるものが一番良いんです。

良き紅茶よ!皆様に届け^^/




追記: この記事は2013年当時に書いた記事を2016年始めにやわらかい口調で書き直しました。当時の内容は各ブランドやメーカーのデメリットを述べて、自分のお気に入りのメーカー名は伏せるという記述でした。3年後の現在では、「自分のお気に入りのメーカー」を徐々に記事にしていくことで、各店舗の知名度が広がってくれればうれしいと考えています。嗜好品に対して表現の自由や正しいことを主張するのは本来、許されていることであり、その表現や主張を批判するような社会であってはいけないと思っています。私のブログのようなたとえ拙い文章でも「表現」を抑圧するような人や社会はこれからますます生きづらくなっていくでしょう。寛容であれば「普通」や「おいしい」や「きれい」とは一色では表せないでしょう。好きも嫌いもさまざまな考え方を感受して個性を尊重して、一人でも多くのお茶好きが生き生きできますように。(2017年3月12日)

posted by みみはな at 00:10| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TWGにてシンブリの紅茶、凍頂烏龍を注文しました。何れもポット1杯で1000円を超える値段でした。シンブリはおそろしく質の低い茶葉が使用されており、さらに、着香がされておりました。分からない人には分からないでしょうが、お茶を普段から沢山飲んでいる人であれば優れに気がつきます。凍頂烏龍については、中国製と思われる茶葉で、激しく酸化臭がしており、コクも何も感じられない粗悪品でした。凍頂烏龍はさておき、ダージリンティに着香しているという事実に大変腹が立った次第です。
Posted by お茶マニア at 2013年10月22日 19:15
お茶マニア様>>コメントありがとうございます。
お客様にサロンでお出しする茶葉なのに低級とは、日本で経営しているTWGは恥ずかしく感じていないのかと不思議でなりません。シンブーリはBOPの可能性が高そうですね。そして、関係者曰く、TWGのバイヤーは茶葉に対して繊細ではなく、買い方が上手ではありません。豊かな香りが醍醐味なダージリンに着香なんてもってのほかです。
凍頂烏龍の注文を承ったにもかかわらず、もし福建省辺りの烏龍茶を出したのであれば大問題です。凍頂烏龍といってもTWGが取り扱う茶葉は酸化がかなり進んだものを取り扱っているんでしょうね。
いずれにしても、事前に茶器を温めることを怠り、ダージリンでも台湾茶でも淹れる温度が5℃でも違うと味と香りが異なります。
Posted by みみはな at 2013年10月22日 20:36
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